「この案件、まず堀田さんに」と言われる営業へ。仲介会社との信頼をつくる、シンプルで深い仕事術



戸建て建売の販売・仕入で10年のキャリアを積み、現在はプライムリアルエステートで仕入・再販業務を担う堀田さん。権利関係の調整や、商品化するのに知識が必要な、いわゆる「歪み不動産」を専門に扱い、仲介会社との長期的な信頼関係を通じて良質な案件を継続的に獲得しています。前回のインタビューでは、家族との時間を大切にしつつ成果を上げる働き方について伺いました。今回は、仲介会社との関係構築や案件獲得の具体的なプロセスに焦点を当て、「相談したいと思ってもらえる営業」に求められる考え方や行動について語っていただきました。

価格より関係。訪問や電話・メールの積み重ねが生む、案件を紹介される関係性

――現在、何社ぐらいの仲介会社様と定期的にやり取りされているのですか。

定期的にやり取りがあり、継続的に案件をご紹介いただいている会社様は、およそ5社です。それ以外にも、日常的にコミュニケーションを取りながら、関係構築を進めている会社様は数十社ありますが、「コアなお付き合いをさせていただいている」という意味では、約5社になります。

訪問は「対会社」というより「対担当者様」という意識で動いています。同じ会社の違うセンターも含めて、この5名の方には必ずお伺いしようという形で、2か月に1回は直接お会いしたいと思っています。電話も月に最低1回か2回は必ず連絡を取り合っています。それに加えて、会社からも直近の案件事例などをまとめたメールを毎週配信しているので、仲介会社様からすると「いつもメールをもらっている会社」という接点にもなっています。

――訪問の際に意識されているポイントを教えてください。

一番大事にしているのは、相手の時間をいただく以上、相手にとってメリットのある話を持っていくことです。直近の案件進捗を伝えたり、いただいていた案件への回答を確実に準備するなど、お互いに時間を無駄にしない訪問を心がけています。時間は大体30分が目安です。

また、相手の年齢や忙しさによって話し方も変えています。少し感情を交えて話すことで興味を持っていただける方にはそのように話すこともありますし、端的にやり取りしたい方にはコンパクトにまとめます。私はどちらかというと話しすぎてしまうほうなので、自分を抑えて相手の状況を見ながら話すことを意識するようにしています。

売主と仲介、それぞれのゴールを聞く。ヒアリングの3つの軸

――案件をいただいた際、どのようにヒアリングを進めているのですか。

一番大切にしているのは、「売主様がどうしたいか」と「仲介会社様がどうしたいか」の2点を把握することです。その上で、当社が入ることで両者にちゃんとメリットがあるかどうかを確認していく流れになります。なぜ売りたいのか、いつまでに売りたいのか、いくらで売りたいのかを丁寧に伺った上で、仲介会社様の立場からどう見えているかも深掘りします。漏れをなくすために、ヒアリング項目は営業チーム全員で共有しています。

「仲介会社様は私たちの5倍ぐらい忙しいと思って動いたほうが良い」というのは、社内でもよく言われることです。電話は短くコンパクトに、でも案件をいただいたときのヒアリングは1回で漏れなく聞き切ることを大切にしています。

――ヒアリングから提案につなげた具体的な事例を教えてください。

相続が絡む案件で、複数のご親族様が共有名義の物件を扱ったことがあります。物件の近くにお住まいの方と、他県にお住まいの方がいらして、弁護士まで絡んでいる状態でした。さらにヒアリングを重ねたところ、それぞれが別の仲介会社に相談していたこともあり、話がなかなか進みませんでした。

その上で、当社からは「測量も解体も、手間のかかることはすべてこちらでやるので、権利関係の調整や金額の分配についての話し合いだけに集中してください」とご提案しました。最初にお話をいただいてから半年以上かかりましたが、解体・測量まで完了し、次の購入者と契約して決済を待つところまでたどり着きました。関係者の皆さまが「ちゃんとクリアにできた」というほっとした表情をされていたのが印象的です。

このような案件は当社では決して珍しいものではありません。事情が複雑に絡む案件こそ我々の腕が鳴りますし、多くの難案件に携わらせていただいている当社がお役に立てると考えています。

1日目が勝負。スピードと知識が「また相談したい」をつくる

――仲介会社様と継続的な関係を築くために、大切なことは何でしょうか。

まず重要になるのが、レスポンスのスピードです。「電話はすぐ出る」「出られなくてもすぐ折り返す」「物件のご紹介をいただいたら現場にすぐ向かう」といった行動を徹底することで、信頼を積み重ねます。社長も「1日目が勝負だ」とよく言っています。常に競合他社と比較される不動産の世界では、少しの遅れがお客様や仲介会社様の意思決定に大きな影響を及ぼすためです。

あとは、私たちの知識をご提供することによる「聞いて良かった」という体験をいかに積み重ねられるかです。資料が届いたら連絡を取る前に読み込んでおき、「この部分については、どうなっていますか」と的確に質問できるようにしておく。仲介会社様が気づいていなかったポイントをこちらからお伝えできると、「堀田さんに聞いていなかったら危なかった」となるわけです。

――新規の仲介会社様へはどうアプローチされているのですか。

最初は飛び込みから始めることもありますが、いきなり案件の話をしても関係はできません。ホームページで担当者の出身地や趣味を調べ、共通項や話題を見つけてから電話するようにしています。訪問でも、「こういう案件を探しています、あれば紹介してください」と伝えるのではなく、「今、こういう案件がありますか」と伺うようにしています。そうすると探していただけることもあるのです。

似た案件の事例を持っていくと喜んでいただけることもあります。「こういう複雑な案件をやっていたのですが、同じようなものがあれば」と具体的に伝えると、「そういえばこういうのがある」とご相談をいただけたりします。つまり、当社がどういう案件が得意かを相手にイメージしていただけるかどうかが、その後の関係性を左右していると感じています。

「自社を知る」と「当たり前を愚直に」。信頼される営業であり続けるための極意

――もし今日入社した営業スタッフに、仲介会社との関わりにおいて、一番大切なことを伝えるとしたら何を話しますか。

まず1つだけ言うなら、自社の事例を知ることだと思います。当社がどういう案件をどう扱ってきたか、また、そこにある歴史と想いを知らないと、受けるべき案件かどうかの判断もできませんし、仲介会社様への説明もできないでしょう。自分たちが他の会社と何が違うのかを理解して、自信を持って話せるようになる必要があります。

もう少し広げるなら、「売主様がどうしたいか」「仲介会社様がどうしたいか」「そのために当社の強みが活かせるか」の3点に尽きると思います。シンプルに聞こえますが、これがものすごく難しいのです。案件をいただいて、当社とは合わないと判断したときも、ただお断りするだけでなく「こういう方法もあると思います」とご提案できると、「またお願いしたい」につながります。

――最後に、営業として大切にしている姿勢を教えてください。

「時間を守る」「電話に出る」「すぐ動く」といった一見すると当たり前の行動を、忙しいときや体調が悪いときも含めてずっと積み重ねていける人が、どこに行っても信頼される人だと思っています。後回しにすると忘れてしまうからすぐ動き、できないことはできないなりに精一杯対応して、わからなければすぐに聞く。さらにいえば、服装1つにしても信念を持って仕事をしているかどうかは伝わるものです。こうした習慣を、誠実に貫き続ける営業でありたいですね。


LATEST POSTS